ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは6月24日、スマートフォンアプリを活用し、足のサイズを計測できる「ZOZOMAT」(ゾゾマット)を無料で提供すると発表した。客の足のサイズに合った靴を、試着なしで提案することを目指す。同日から特設サイトで予約を受け付け、秋・冬ごろから順次発送する。
靴はサイズの大小に加え、甲高や幅広、外反母趾による変形など足の形状が履き心地に影響するため、試着ができないECサイトでは、サイズ選びに不安を抱えるユーザーも多いという。ZOZOMATは、こうした課題を解消する狙いがある。
引用:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1906/24/news074.html
─ YODOQの見方───────────────────────────
ZOZOMATは、マットに足を乗せ、周囲をスマホカメラで撮影すると、カメラがマット全体にあるドットマーカーを読み取り、足のサイズを測れるという仕組み。この仕組み自体は先にリリースさて話題になったZOZOSUITSと殆ど同じである。
2018年にZOZOSUITSが事実上廃止されたことが記憶に新しい中、ZOZOはなぜZOZOMATのリリースに踏み出したのだろうか。
まずZOZOSUITSの一番の失敗は「PB(プライベートブランド)化」。PBとして発売したビジネススーツは、生産・配送の遅れによって、15.4億円の受注に対し5.4億円分しか納品に至らなかった。現在は解消されてきてはいるものの、当時のZOZOにはPBを支える生産ラインが無かったのだ。
ZOZOSUITSの失敗はZOZOにとっても大きな痛手であることは間違いないが、それと引き換えに100万人以上もの詳細な身体データを得ることができた。これは史上空前の規模であり、壮大な社会実験と言える。
このデータをテナントであるブランドに開放することで、MSP(マルチサイズプラットフォーム)事業を確立させたのだ。
MSPが進化していくことで、ZOZOSUITSやZOZOMATのようなツールが無くても、どんな体型の人でもピッタリな一着・一足を簡単に見つけることのできる時代がくるかもしれない。
参考:ゾゾマット開発担当役員が語る「PB失敗から学んだこと」