香りや触感も再現 VRショッピングの現実味

ゲームを中心に広がりを見せているVR(仮想現実)ですが、近年は商品の販売に活かす取り組みも進んできています。
実店舗で家具などを購入する際、VR技術を用いることで購入予定の家具を自宅の部屋に置いた状態を再現し、サイズ感や部屋のイメージに合うかを事前に確認することができたり、ネット通販では自分に似せたデジタルアバター(ネット上の分身)を作り洋服やアクセサリーの試着に活用する試みも始まっています。また、消費者がVRヘッドセットとセンサー内臓グローブを着用することで、実店舗を仮想で巡りつつショッピングできる計画も進んでいます。NECは仮想店舗内で商品の香りを体験できるシステムを開発し、法人向けに販売しています。他にも、仮想環境で全方位の音響空間を作り出すツールが英国の学生によって発表されています。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53775970V21C19A2000000/

─ YODOQの見方───────────────────────────

ECサイトでのショッピングにVRを利用する場合、やはり一番のポイントとなるのはVRヘッドセットではないでしょうか。以前に比べると普及しているとは言われていますが、どこの家庭にもあるというものではなく利用者も限定的です。また、一口にVRヘッドセットと言っても種類は豊富で、搭載している機能やスペックの違いで価格にも大きな開きがあります。現状は各社が自社の強みを活かしたものを作っていますが、それぞれのECサイトが個別のヘッドセットを開発するよりも、ECサイト用のVRヘッドセットの規格を作り、共有することで利用拡大の可能性が広がるのではないかと思います。
また、仮想店舗自体も一つのブランドだけでなく、百貨店のようにいくつもの店舗に手軽にアクセスできるようになれば、利用者も増えていくと思います。ネックとも言えるVRヘッドセットですが、現在でもVR製品のレンタルサービスはありますので、お年を召して移動手段や身体的な問題でなかなか実店舗へ足を運べない方の為にデイサービス施設や介護老人ホームなどがVR機器をレンタルし利用者に提供できれば、見るだけの普通のECサイトでは味わえない買物体験をしてもらえます。そのことで他の施設との差別化を図り、利用者へのアピールになったりするのではないかと思います。
5Gの実用化で大容量データのやり取りがスムーズにできることでVR技術を用いたショッピングももっと身近になっていくと思います。

update : 2020/01/22 | ネットサービス