クラウド型災害支援管理ツール「スマレプ」実証実験開始

株式会社Tech Designが9月11日、台風15号(9月9日上陸)の被害を受け立ち上がった千葉県館山市ボランティアセンターつながりサテライトにおいて、現在開発中の災害支援管理ツール「スマレプ」の実証実験を開始しました。記事掲載当時までに既に500人以上のボランティアの受け入れを「スマレプ」を用いて行ったそうです。
「スマレプ」はボランティア要請を行ったときに煩雑化する管理をクラウド上で完結し、現場でのボランティアの受付業務も印刷したQRコードをスマホやiPadで読み込むことで無人化する方法で簡略化できるクラウド型災害支援管理ツールです。WEBページの申し込みフォームに氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどのほかに災害ボランティアの経験の有無、ボランティア保険の加入の有無や血液型、自動車免許の有無や活動できる期間などを入力してもらい登録を受け付けます。それらの情報を元にボランティア希望者を適切な現場に配置することができ、現場の受け入れ態勢を早期に構築します。また、システムを用いることで管理コストが削減できるとのことです。
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000044535.html

─ YODOQの見方───────────────────────────

今年も台風による甚大な被害があり、被災地域ではボランティアの募集が行われていますが、他の地域ではどのようにしてボランティアの受付が行われているのかを調べてみました。
全国社会福祉協議会のホームページでは、災害ボランティア情報が掲載されていて、各地域の災害ボランティアセンターのページにリンクが付けられ、そこで詳細情報を確認することができるようになっています。
災害ボランティアセンターのWEBページが存在しても、ボランティアの申込は電話やFAXであることが多いです。また、10人以上の希望者がいる場合のみ事前登録を依頼し、それ以下の人数では受付時間・受付場所(作業内容・注意事項・持ち物は掲載)を記載するだけで、当日現地での対応とし、事前申込を必要としない団体もありました。事前申込を必要としないシステムの場合は「ただし、災害ボランティアセンターにお越しいただいても、当日の被災者からのご依頼状況やボランティア活動希望者数により、早い時間に受付を終了したり、受付後であっても活動を行えない場合がありますので、あらかじめご了承ください。」という但し書きがありました。
中には、WEBページの申込フォームで受け付ける団体もありましたが、「天候判断など最新情報はホームページ、Facebook、Twitterに随時掲載しておりますので、ご確認ください。」と記載されていました。
事前申込制でないとボランティアをするために現地に行っても無駄足になってしまう可能性がありますし、例え事前に申込を行っていても当日の状況は自分から確認しないとわからないという状態では、ボランティアに行きたいという人にとって不便なのではないかと思います。その不便さをシステムを使って解消し、効率的にボランティアセンターを運営できれば被災地域にとってもボランティア希望者にとってもいいことだと思います。
今回ご紹介した「スマレプ」以外にもシステムを導入して効率的なボランティアセンターを運営している団体がないかを調べてみると平成30年の7月豪雨で倉敷市災害ボランティアセンターがPeatix(ピーティックス)というITを使ったボランティア受付を導入したという記事がありました。このシステムはオンライン上でチケット販売を行ったり、イベントを管理するサービスで、事前に無料チケットを購入してもらうことで、当日の受付時にはQRコードなどの認証画面を見せるだけですみ、必要事項を申込書に記入してもらう手間を省くことで受付の待ち時間の短縮も図れます。
ただ、このようなシステムは各災害ボランティアセンターが別々に運用するよりも、全国で統一したシステムを使用した方が、ボランティアを必要としている地域間でボランティア希望者の情報を共有でき、被災者からの依頼状況とあわせて臨機応変に運営できるようになるのではないかと思います。

参考:https://www.saigaivc.com/

参考:https://imadekirukoto.jp/organization/okayama_006/

update : 2019/11/05 | スマートフォン, ネットサービス